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わかった。

わかった。

世界を支配する権力はない。自分が観測する世界すら支配出来ていない。今日も親に平伏し土下座する日々だ。誰かを救うどころか自分すらも救えていない。大切な誰かを守る前に、自分すらも守れず、ただいつ死ぬかを待っているかのような日々だ。

これまで、常に強がり、嘘を吐き続けてきた。もし過去に戻れるのなら、全てをやり直したい。あまりに遠回りをしてきた。無駄な日々を過ごしてきた。今となってはもう、何もかもが遅すぎて、何もかもが空回りしている。

この世界では、誰もが自分のために、守るべき大切なもののために、殺し合いを繰り返している。詐欺は駄目だと、多くの人は言うが、会った人間は詐欺師ばかりだった。誰かに優しく接しても、恩は仇で返ってきた。その度に後悔し、目を背けようとしてきた。しかし騙されたのは事実だ。失ったものはもう返ってはこない。

この世界では、どこを見渡しても奪い合いばかりだ。奪われ続けて破産していくがもいる。その不運に対して「努力していなかったからだ」「才能がないからだ」あるいは「奪われる方が悪いのだ」「騙される方が悪いのだ」などと言う人達もいる。

しかし、どのように努力するべきなのか、どのように騙しを見抜くのか、全く明らかになっていない。正しい努力とはどのようなものなのか。そもそも、努力する機会さえ平等に与えられていないではないか。優しさを持てば持つほど、騙されることも増えていく。それでは、常に他人を疑い続けることは正しいことなのか。

心優しい人達が苦痛を感じても平気な顔をする醜い人間が溢れている。こんなくだらない社会のために振り回され、この社会を維持する歯車として働き続ける人生を送るのは、耐え切れない苦痛である。それよりもむしろ、大きな事件を起こして壮大に死にたい。そして自分は伝説になるのだ。

そう。他人を救うために上京した自分が、今となってはもう、他人の苦痛を伴う事件を起こして目立ちたいと考えるまでの人間になったのだ。カネがなければ、引きこもりを続けることはできない。生きていくことができない。しかし、それが終わる時には、自分の人生も終わりだろう。

心が広いと常に呼ばれ続けてきた親も、もはや自分に対して愛想を尽かしてきている。これはつまり、ニートの終わりが近いということだ。さらば、ひきこもりニート月永皓瑛。その命が尽き果てるまで、生き続けてくれ。出来ることなら、まだここに居てくれ。

わかった。

詩・随筆