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自分自身が何者なのかもわからないままに、人は死んでいく

人類の歴史の中で、何かがほんの少しでも違ったとすれば、自分は誕生していないだろう。生きていること自体が奇跡である。しかし、自分がなぜ生まれたのか、なぜ自分でなければならなかったのかを知ることは、決して出来ない。
自分自身が何者なのか、死んだらどこに行くのか。そもそも行き先はあるのか。どうせ死ぬのなら、生まれてくる意味はあったのか。「人類は繁栄しなければならない」という暗黙のルールを破らず、守り続けてきたのは何故なのか。疑問は尽きない。
自分自身が何者かもわからない人間達が、人間達を誕生させてきた。そして、彼らが知り得なかった問いは次の世代へと受け継がれ続けてきた。そしてまた人間達は、明確な答えを出せないまま、根拠のない妄想を抱き、死んでいくのである。