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「引きこもり」に突きつけられる「余命宣告」

 生きていくためには、いくら節約して質素な生活をするとしても、家賃や食費、その他電気・ガス・水道などのライフラインについてはどうしてもカネがかかる。カネがある引きこもりならば問題ないが、カネがあまりない引きこもりは、何らかの支援を受けることができなければ、貯金が尽きたら「死ぬ」しかない。「死ぬ」まで引きこもりを続けるしかないのだ。
 引きこもりにとってカネがないことは「余命宣告」と同じである。親が養ったり、何らかの支援を受けることができていたり、あるいは遺産を相続していたりなどして、カネがある場合に限って、その「余命宣告」は猶予されている。もし貯金が尽きればたちまち「余命宣告」が突きつけられるのである。
 
 こういう事情があるにも関わらず、「頑張って金を稼げばどうにかなるはずだ」という人もいるわけであるが、「どうにもならない」人が現にいるのである。そしてそれは、病気や障害が「どうにもならない」という場合と同様の「どうにもならなさ」である。カネのない引きこもりは決して楽ではない。常に「死」と隣合わせに生きているのである。