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正義について

正義と悪という二項対立について

正義と悪を巡っては様々な議論があるが、悪もまた、悪を正義とする側にとっての正義である。それぞれにとって正義があり、敵対する正義を悪と名づけて合っているだけのことである。つまり、悪はもう一つの正義だと言うことができるだろう。そして、世間一般的に言われる正義は、あくまで社会的な力関係で決まっていく、多数派あるいは権力者にとっての正義でしかない。正義が絶対的に正しいものだと考えている人も少なくないが、決してそうではない。何を前提とするかによって、その正しさは変わっていくのであって、絶対的に正しいということはないのである。

正義の素晴らしさという錯覚

正義によって恩恵を受ける立場の人間にとっては、正義は素晴らしい行為だとしても、正義の側から悪と名付けられた側にとっては、全くもって素晴らしくはなく、自らの生存を脅かす厄介な存在でしかない。あらゆる正義において、それは避けられない。一方にとっての素晴らしさが、それを超越した、絶対的な素晴らしさに繋がることはないのである。表面的で浅薄な正義は影響力を持ちやすいが、複雑な事情を短絡的に考え過ぎである。誰かを救うという正義が、別の誰かを傷つけることにもなる。自己犠牲にしても、自らの生存を維持するためには、何らかの犠牲を伴っている。生きているだけで、ある一面では彼らの主張する悪に加担してしまうことになるわけである。